議長挨拶

雄武町の発展に向けて一つになる

令和6年の新しい年が明けました。町民の皆様におかれましては、穏やかに新年をお迎えの事と心よりお慶び申し上げます。旧年中は、町議会に対して深いご理解と温かいご支援ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。

昨年を振り返りますと、まず令和元年に中国で確認された新型コロナウイルス感染症の影響により様々な困難な状況に直面しましたが、5月には3年4か月ぶりに感染症法上の分類が季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げられました。その後、行動制限がなくなった効果もあり、徐々に皆さんの日常が元に戻りつつあります。これまで医療従事者の方々や関係者のご尽力に深く感謝申し上げます。また、町民の皆さまのご協力により、感染拡大を抑えるための取り組みが進められましたことにも感謝いたします。

一方、ロシアのウクライナ侵攻は約2年に及びます。ウクライナ国民は自国の領土を守るため命を懸けて戦闘を続けています。この戦争には欧米を始め日本もウクライナを支援していますが、現在も終息は見えず膠着状態です。また、10月7日にパレスチナのガザ地区を支配する「ハマス」によるイスラエルへの攻撃によって勃発した、パレスチナ・イスラエル戦争は双方の攻撃により、どちらも民間人の犠牲者が日々増加するという極めて悲惨な状況です。戦闘状態の地域が地球上でウクライナ・ロシア戦争と同時期に発生しているのが現実です。

昨年の町内を振り返ると、漁業の漁獲金額は前年比21億円の減少で約74億円です。しかし中国が8月に「日本水産物の輸入全面停止」を発表したため、主力の冷凍ホタテが中国へ輸出出来なくなりましたが、その後、農林水産省の『＃食べるぜ ニッポン！』キャンペーンを始め、国内での消費拡大や中国以外への輸出先の開拓に官民共に努力を続け、心配された在庫増による保管用冷蔵庫のひっ迫も危機を脱する兆しがあります。

ホタテについては、水産庁及び経産省、東京電力、北海道庁、国会議員や道議会議員の方々が、補助金と保証制度の確立について協議して頂きました。また日本全国からの「頑張れ」「応援します」というご支援・ご声援が生産者や水産加工業の方々の不安を緩和する強い力になりました。改めて関係各位に心から感謝を申し上げます。

農業では、生乳生産額が4.5％増の28.6億円（補給金含む）生産量は5.9％減の24,800トンでした。昨年に続きロシアのウクライナ侵攻の影響により、穀物価格、石油価格などの高騰によるコスト増加により、組合員の方々は未だ厳しい経営の中で努力を続けている所です。

「国営緊急農地再編事業雄武丘陵地区」農地整備事業は今年で7年目です。将来この事業完成により輸入穀物中心の飼料よりも自給飼料を主とした営農による雄武町の農業の飛躍を確信しています。また安全操業の根幹である漁港の整備も、元稲府・雄武・沢木各漁港がそれぞれ予算化されており、次世代には安全で優れた漁港や大規模で状態の良い農地を残す事が、今を生きる私達の大きな責務です。

漁業、水産加工業、農業、共に我が町にとって雇用と町の経済を支える重要な基幹産業です。国・北海道の補助制度活用と合わせて、議会としても常に状況把握に努めて可能な助成制度を町と共に議論して参ります。

昨年は、4月の知事・道議会議員選挙の後、町議会議員選挙が、9月には町長選挙が執行されました。町議会議員選挙では、定数10人に対し11人が立候補して3人の新人と7人の現職が当選しました。9月の町長選は、現職と新人2名の3人の選挙戦になり、新たに高橋町制がスタートしました。同時に欠員が生じていた議会議員の補欠選挙も告示され、新たに1名が当選しました。この10人で4年間議会を運営してまいります。

議会としては、未来の雄武町を担う若い世代が胸を張って自慢できる雄武町を目指して、町の経済の活性化、地域の産業を支えるための施策と共に、子育て支援や教育環境の充実、高齢者福祉の向上など、皆さまが安心して暮らせる環境づくりにも力を入れてまいります。町民の皆さまの声に真摯に耳を傾け、透明性のある議会運営を心がけて新たな気持ちで、新町長と議論を重ねながらより良い町づくりに取り組む所存です。

町の発展には皆さまのご協力が不可欠です。一人ひとりが地域の一員として、お互いに支え合い、協力し合うことで、より良い未来を築いていくことができます。町議会としても、皆さまと共に歩み、町の発展に貢献してまいります。

令和6年も、皆さまのご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。雄武町の発展に向けて、一丸となって取り組んでまいりましょう。